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《インタビュー》はっと -「メルヘンサイコ」な現実を描き出す-

《インタビュー》はっと -「メルヘンサイコ」な現実を描き出す-

「幻想画ではない。私にとってこれが現実」。

アーティストインタビュー

イラスト画家/はっと

"かわいいのに不気味""きれいなのに不思議"…アーティスト・はっとが描くイラストの中には、相反する要素が同居している。見るものはそのギャップに夢中で目を凝らすうち、その「メルヘンサイコ」な世界観に迷い込んでしまうのだ。

「幻想画ではなく、私にとってはこれが現実」作品についてそう語るはっとの目には、これまで一体どんな景色が写ってきたのだろう。彼女が描く理由、インスピレーションの源…制作の裏側を、少しだけ覗かせてもらおう。

 

絵を描き始めたきっかけ

どうあがいても自分の心は“絵”に向いていたようだった。

虹のかなたへ/はっと

『虹のかなたへ』

物心ついた頃から絵を描くことが何より好きでした。幼い頃から将来は絵描きになりたいと思っていたのですが、一時期、文章創作の方面に興味が湧き、大学では小説執筆を専攻していたんです。直木賞作家の教授につき勉強していたのですが、ある日教授から「君の文は絵みたいな文章だな」と言われました。

はっと

使用している画材

そこで思ったのは、「自分は文を使って絵を描いているんだ…」ということです。つまり、どうあがいても自分の心は“絵”に向いていたようです。美大や専門学校へ進むことはなかったのですが、それがかえって自分の進むべき意志を確固たるものにしていったように思います。

 

イラストの世界観とインスピレーション

ちょっと不思議で、ちょっと不気味な「メルヘンサイコ」の世界

はっと

『Spiral Apples』は美しく光に透ける

「メルヘンサイコ」というキャッチフレーズは、絵を見て下さったお方からつけて頂きました。とても気に入って使わせて頂いております。私自身、可愛い、綺麗…以外のものにとても心惹かれます。可愛い、綺麗を入口として、もっともっと絵の奥底へ迷い込んでほしい。鑑賞者様の心の中に特別な部屋を作ってほしい。そういう思いを体現するのが「メルヘンサイコ」という言葉かな、と思っております。

#体験してきたものが作品に作用している。

底の果ての終わり/はっと

『底の果ての終わり』

「メルヘンサイコ」とは私にとって「優しさと悲しみ」です。このテーマを描いていくにあたり、好きなものから、知らず知らずのうち影響を受けているのかもしれません。ホラー、サスペンス映画、50年代ブロードウェイミュージカルはたくさん触れ合ってきましたので、この世界観を作るのに一役買っていると思います。

あと、一時期文章を専攻していたことが、絵の中に物語を含ませるスタイルに強く作用しているように思います。

#「幻想画」ではない。私にとってこれが「現実」。

はっと

『Night with a Key』supported by ART BRIDGE

よく「幻想画」と言われるのですが、私にとってはこれが「現実」だと思っています。

子供の頃、もしくは今この目で見えているのに、誰にも共感してもらえず心の中にしまい込んでしまった物。 そういう物を胸の中からゆっくり取り出してカタチにしています。しまって、取り出す…の作業をするうち、少し歪んで、現実とは違う印象を与えるものに変わっているのかもしれません。遠い記憶を弄るように思い出していますから。ですので、何からインスピレーションを得ているかと言えば、目に映るもの、もしくは目に映ってきたもの全てです。

 

今後の目標

#新しいアートのジャンルへの挑戦も

『春の化け物』

昨年より、絵画と音楽の隔たりをなくしてみたいという理念のもと「シナスタジア」というユニットを結成しています。歌手、絵描き等の3人組で、体感するアートを意識したライブなどを行っております。ピアノ、グレゴリオ聖歌、アンビエント、様々な音楽と混ざり合いながらの絵画作品発表を行ってみて、結局「絵画も音楽も根元は同じ」という単純な結論にたどり着きました。

はっと

 ART BRIDGEにも出品中の作品たち

楽曲発表のためにどんな準備をすればいいのか、または絵画制作にどれだけの労力が費やされるのか…細かい部分での相互理解はまだ深める余地もあるかと思いますが、最初に決めた「隔たりをなくす」という気持ちだけ変えなければ、新しいアートのジャンルに発展するのではと考えています。

 

#誰かの心の琴線に触れる作品を

いつかひとつにつながる/はっと

 『いつかひとつにつながる』

まだまだ自分の胸の内にあるものを、十分に表現しきれていないと思っています。いつか展示室いっぱいに自分の作品を並べて、たくさんの皆さまに迷い込んでほしいです。

はっと

イラスト以外でも「メルヘンサイコ」な世界観は顕在

実はこれまで、個展というものをしたことがございませんでしたので、折を見て企画することができればと思っています。その日のために、アクリル画などの原画作品を少しずつ増やしています。平面作品の枠を超えた、”質感や温度” まで感じることのできる心地よい展示にしてみたいと思っています。99人がブーイングしても1人がブラボー!と拍手してくれるような、際どくてもいい、誰かの琴線に触れていく作品を作っていきたいです。

 

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アーティストプロフィール

はっと

各ギャラリーの展示会を中心に活動、ファンタジー小説の装画を担当、個人で絵画の受注、iphoneケースの制作など。2016年4月、自身4冊目となる画集「辺境少女」を発表。

"音楽と絵画の垣根を越えていく" ことを目的としたユニット【シナスタジア】( http://synesthesia1128.jimdo.com/)のメンバーとして、イラスト以外の分野にも活動の場を広げる。

その他作品はこちら 

受賞歴

・Atelier bemstar主催【POSTCARD COMPETITION vol.3】 NIMO賞

・文芸思潮【イラスト・漫画賞】 表紙絵部門 佳作

・講談社フェーマススクール【第21回ライオンイラストコンテスト】 佳作

・下北アートスペース主催【第6回ポストカードコンテスト】 入賞

・文芸社イラストコンテスト 2月 月間賞

supported by ART BRIDGE

 

タグ: イラストレーション / 動物 / はっと / メルヘン / パステルカラー

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